社会課題とアプローチ

浄化槽における汚泥発生と機能障害

既存の浄化槽は、汚泥が発生する構造となっており、年1回の汲み取りが必要です。
し尿・浄化槽汚泥は日本全体で約2000万トン/年発生しており、し尿処理施設で処理されています。

また、洗剤を使用しすぎると、機能障害を招くという調査結果があります。
(合併浄化槽610基中、約70基が機能障害となっており、その多くは洗剤等に含まれる毒性物質が原因と判断するに至った)

出典:いなかの浄化槽vlog、【ダイキXE型】浄化槽清掃を怠ると大変!5人槽の効果的な清掃方法を解説! - YouTube
出典:水浄化フォーラム、家庭洗剤と浄化槽の機能障害 – 水浄化フォーラム -科学と技術- (water-solutions.jp)
出典:和歌山県清掃連合会、浄化槽の使用上の注意 (wakankyo.jp)

人口減少地域における水インフラの見直し

人口減少に伴う収入減少、施設老朽化による更新費用増大、技術者不足などにより、一定の地域では、下水道から浄化槽に転換するほうが合理的になると考えられます。その際に、上記浄化槽の問題点を解消できれば、生物多様性の回復や自治体の負担低減を実現できると考えます。

取組:汚泥と合成洗剤を分解する浄化槽の開発

浄化槽では、汚泥発生による汲み取りの必要性、洗剤・油の流入による機能障害(浄化能力低下)といった問題があります。
独自の微生物群の定期投入により、汚泥と洗剤の分解能力を高める浄化槽の開発に取り組んでいます。
技術的実現性検証の段階にあり、2槽比較実験や、プロトタイプでの検証を行っています。

取組:既存浄化槽の機能改善

微生物群を既存浄化槽に定期投入することで、汚泥減量と水質改善が可能か、検証を行っています。